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新たな取り組み TSV-3の上場牛全頭投与を実施

2021.08.11

JA壱岐市は8月1日~2日に芦辺町のJA壱岐市家畜市場セリ場で子牛市を開催しました。
 

上場牛すべてに鼻腔粘膜ワクチン「TSV-3」が投与されました

 開催にあたり同JA畜産部は関係機関の協力のもと、新型コロナ感染症対策をさらに強化して実施しました。入場時の検温や消毒、生産者の行動スペース、待機場所の指定、セリ会場への入場規制などを行い安全な牛市の開催に努めています。

 子牛市では、2日間で去勢360頭、雌282頭の計642頭の取引が成立しました。最高価格は去勢で122万1,000円、雌86万2,400円、平均価格は71万2,077円(前回比93.94%)と依然と高い水準の販売価格となっています。

 さらに、今回の牛セリ開催にあたり、新たな取り組みとして、牛RSウイルス抗原を追加した新しい鼻腔粘膜ワクチン「TSV-3」の上場牛全頭投与を行いました。

 今回の投与は離島から本土への輸送にあたって子牛にかかるストレス軽減と、免疫力の低下を防ぐ事を目的に導入され、全国の市場で7番目の導入となります(長崎県下では平戸口中央に次いで2番目)。

 TSV-3のもつ特長として、①牛RSウイルス感染症への効能②出生直後より投与が可能③鼻腔への投与による免疫能の活性化があります。

 1つ目の特長である、ウイルス感染症への効能として、投与後少なくとも14日目には効果が発現し、64日間免疫が持続することが試験を経て報告されています。感染による臨床症状や肺病変、へい死率の軽減が期待されます。

 2つ目の特長の出生直後の投与についても、試験により安全性が確認されています。試験では3~5日齢の子牛に同ワクチンを56日間隔で2回投与しても異常はなく、出生直後の子牛において、移行抗体を保有していたとしても投与でき、それにより柔軟なワクチンプログラムが可能となります。

 3つ目の特長として鼻腔内への投与があります。鼻腔から投与することで速やかに粘膜面の免疫能を活性化します。従来の注射型の生ワクチンと違い、注射痕も残らず、牛に対するストレスも少ないです。ワクチン株も鼻腔内付近のみ増殖し体内深部では増殖しないことから高い安全性が確認されています。

 同JA畜産部の寺尾幸博部長は「購買者に多数来島いただき感謝している。今後も安心安全な素牛提供に最大限努力する。」と語りました。