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持続可能なアスパラ栽培確立に向けて動く

2022.02.01

 JA壱岐市アスパラガス部会は、1月13日に芦辺町の担い手サポートセンター会議室で役員会を開き、令和4年産の生産販売対策や集荷計画について協議しました。また、同会議では壱岐市が取り組んでいるSDGsスマート農業プロジェクトの実証結果についても報告されました。

自動潅水プロジェクトの報告が行われました

 4年産は生産者71人が栽培面積約12.8㌶で栽培します(前年比98.9%)。10a当り2.8t、販売高約4億円(前年比120%)を目標としています。

 生産面の対策では定期的な現地講習と個別巡回の徹底、新規栽培者への生産指導の強化を予定します。各農家毎の個別栽培診断書を作成し、分析と改善提案も行っていく予定です。

 販売面では、市場相対取引の拡大による販売単価の安定化を図りつつ、契約販売先の拡大や、規格外品の有効活用を検討していきます。

 同JAでは昨年11月に10ヵ年の計画となる第9次営農振興計画を策定しました。アスパラガスも重要な園芸振興品目に位置づけます。新規取り組みを増やし、安定した栽培技術で販売高1,000万円以上の経営体を育成し、販売高10億円を目指すため、新規栽培で長期高収量生産のために必要不可欠となる、土づくり及び株養成に必要な資材費用の一部支援を図る「アスパラガス振興対策事業」も施行します。支援では、ハウス整備初年度の土づくり堆肥と、畝支柱の導入に対して助成を行います。

 協議後、「一般社団法人壱岐みらい創り」より平成30年~令和3年に実施された「壱岐SDGsスマート農業プロジェクト」について実証結果の報告が行われました。

 アスパラ生産における潅水作業は、農家の経験や勘により手動で行われているケースが多く、栽培ノウハウが伝承されない可能性があります。また、ハウス毎に生育がばらつくことから、収量の安定化も課題となります。

 プロジェクトでは、試験ハウスに自動潅水システムを導入し、土壌の水分量データに基づく潅水の効果や、労働時間や人件費等のコストの差について報告されました。

 今後もアスパラガス部会では、スマート農業による生産性の向上と、労働負荷の効率化に向けた取組みへの検討が進められていく予定です。